科学と文化の対話からうまれる絵画の素材研究プロジェクト

プロジェクト概要

我が国の伝統的な絵画は、身の回りのさまざまな自然素材を基にした材料が使用されてきました。このような文化財を次世代に保存・継承するためには、天然由来の材料の性質を精確に捉える必要があります。伝統的絵画の多くは、絵画そのものを支える板や壁、紙、繊維などの基底材、鉱石や土、動植物に由来する色料、色料と基底材を接着する膠などの接着剤から構成されています。いずれの素材も光や水、大気などの外的要因の影響により分解され絵画の劣化の原因となります。劣化した文化財の保存・修復については、本来の手法や材料で修理することが基本であるため、時代背景を含めた材料に関する知見についての研究の更なる進展が期待されています。一方で、修理に不可欠な天然素材の生産者や用具製作者等の高齢化、減少、後継者不足が深刻な課題となっています。
本プロジェクトでは、こうした伝統的な絵画の材料について、文化的側面と科学的側面の両面からアプローチを試み、その対話からうまれる新たな視点からの素材研究を推進することで分野融合的な体系化の基盤作りを目指します。

メンバー

宇治広隆 奈良教育大学 理科教育講座 個人紹介ページ
池田藍子 奈良教育大学 美術教育講座 個人紹介ページ

イベント

2024年10月13日 第1回公開シンポジウム「科学からみえる伝統のかたち」

リンク

奈良教育大学
奈良国立大学機構